合格発表の日が来た。
落ちていたら、本当にやばいことになる。
ドキドキしながら、お母さんと家の玄関を出た。
発表は9時。
胸を抑えながら、土手を歩き古い石段を下りて、
中学の前を通り過ぎて、O高校の校門を通り抜けた。
「大丈夫、くるみは絶対に大丈夫」
さっきからお母さんがずっと独り言のように、
その言葉を繰り返している。
9時ちょうどに張り出された合格者の受験番号の一覧。
自分の番号を探して
探して
あった............
「お母さんあった」
「えっ!ほんと!あ、ほんとだ!あった!!くるみあった!!」
私は冷静だったのに、お母さんは興奮してしまって、
恥ずかしいと思ったけど、
周りにたくさん同じテンションの人がいたから、
お母さんを抑えることなく、
テンション高く喜んでいるお母さんを微笑みながら見つめた。
よかった、受かって……
4月から、この高校の生徒になるんだ。
私はぐるっと校舎を見渡した。