キミの宝物




「最低」


私は、爽汰をおいてスタスタと歩き出した。


爽汰は、慌てて私を追いかける。



「ごめんって!・・なんかするからさ?」


チラリと爽汰を見ると、しょげたわんこのように、悲しげな表情をしていた。



「ほんとに?絶対だよ?」


「・・はい」



別にね、あのキス。嫌だったわけじゃないんだ。

初めてで、少し怖かったけどとっても優しかったから。



ファミレスに着き、私はオムライスを頼んだ。


爽汰はコーラだけ。




「それだけでいいの?」



「いーの。昼飯食ったから」



ちゅーっとストローを吸う爽汰。

なんか可愛いな。