キミの宝物




「いいの?」


「おう!最近小遣いもらったばっかだからさ!いこ?」


そう言って爽汰は私に手をさしのべた。


おそるおそる、爽汰の手をつかむ。


その瞬間グイッと引き寄せられた。


私はこけそうになって、バランスをくずした。



「・・っと、あぶねぇよ」



爽汰の顔は、すぐそこ。


キスしたことを思い出して、すぐに顔をそむけた。



「もしかして、初めてだった?」


「・・うるさい」



「ほんっとごめん!」



爽汰は顔の前に手を合わせて、私に謝ってきた。



「ごめんって言われても・・。もうすぎたことだし・・」



「ああでもしないと、みんな信じてくれないかなってさ」



キッと爽汰をにらんだ。


そんな簡単にキスできちゃうんだね。