キミの宝物



ふと、亮介に目を向けるとまるでなにも関係ない人のように顔をそむけていた。



どうして・・?


亮介のせいでこんなことになったんだよ?



「愛果っ!」


そこで、教室に大きい声が響く。


声のするほうへ目をむけると、伊織が息を切らして教室に入ってきた。


「伊織・・」



「なにこれ。誰?これやったひと。」



キッと辺りをキツイ目で見渡す伊織。


その迫力におされたのか、みんなが黙り込んでしまった。



「黙ってないでさっさと答えろよ!」


伊織は顔を真っ赤にして怒鳴った。


私のために、怒ってくれてる伊織。


「もういいよ・・」


私は作り笑いを浮かべて、伊織に微笑みかけた。