___でも現実は、そんなに甘くなかった。
テスト週間にはいったため、部活はなくいつもより遅めに平常授業通りの時間に来た。
教室にはいると、周りからの視線がとても痛い。
疑問に思いながらも、自分の机にカバンをおろして席についた。
「ねえ」
声のかけられたほうを見ると、クラスの中でも女子の中でも恐れられているリーダー格の麗菜(れいな)が立っていた。
「なに?」
「あんたさ、萌菜の好きな人とったらしいじゃん」
意味がわからなかった。
どうしてとったっていうことになってるの?
こんなうわさ流したの誰?
でも、流す人なんて1人くらいしかいない。
「萌菜!」
教室の隅っこのほうで、他の子と、かたまってる萌菜のほうへツカツカと向かった。

