そこから訪れる沈黙。


萌菜は驚きを隠せない顔をしていた。



「・・萌菜?」



「まさかねー」


ヘヘッと萌菜は笑った。
でも、どこか切なそうだった。


「もしかして・・」


私は悟った。


「萌菜、亮介のこと好きなの?」



震える声で私は萌菜に問いかけた。
その瞬間、萌菜の目にためこんでいたものが溢れた。



涙。



普段、泣いたとこを見せない萌菜。
でも、今泣いている。


「ひっく・・ぅっぐ・・」


ただただすすり泣いてる萌菜に愚かものの私は、何をしていいのかわからなかった。
ただ、私が萌菜の立場だったら私のことを恨むと思う。
好きな人が自分の友達なんて知ったら気が狂ってしまう。


「・・ごめん」


私は謝ることしかできなくて。
布団をぎゅっと握った。


「あやまんないでよ」


萌菜は一生懸命涙をぬぐいながら言う。



「帰るね・・」


萌菜はガタッと席を立って、保健室から出て行ってしまった。