それから私は昨日あったことを2人に話した。

黙って聞いてくれた。

いつも2人は真剣に聞いてくれる。



「ひでーな。あいつら」



話を聞き終えたあと、亮介は今すぐにでも殴りかかりそうないきおいだった。



「でもさ、愛果の思い伝わったといいね。」



萌菜は優しい目で私を見た。


「うん。」



私はうなずいた。
でもね、未だに許せてないの。
先輩達のこと。
爽汰がなによりかわいそうだったから__。



「私、なにか飲み物買ってくるね」


萌菜が席をたった。


「うん、ありがと。」


萌菜は、そそくさと保健室をでていった。
ドアが閉まる音が保健室に響いた。


「愛果はさ、」


「ん?」


亮介の少し小さめの声に、よく耳を傾ける。


「爽汰のこと好きなの?」


亮介は顔をあげて、私の顔を見た。

ドキッとする。


「なん、で・・」


私はハハッと笑って「そんなわけないよ」と答えた。