キミの宝物



「愛果・・顔こわいよ?大丈夫?」


萌菜と亮介は私の顔を覗き込む。


「あぁ。うん。ごめんね。」



やきそばパンを食べようと手につけたとき。


「爽汰ってぇ、一途そうだし顔カッコイイから告白OKしたんだけどぉ、案外たらしなんだねっ。美律ショックだなぁ」



なに・・言ってるの?

パッと後ろを向くと、髪の毛をくるくるさせて楽しそうに話す美律先輩が目に入った。
その顔は、あまりにも残酷で。
悪口を言ってる人の顔ってこんなにも醜い顔なんだ。


気づけば、足が勝手に進んでいた。



私は、先輩たち3人の前に立ち止まる。



「あ。愛果ちゃんだぁ」



美律先輩はいつものような可愛らしい笑顔を私に向けて手を振る。
さっきまで散々言っといて、よくそんな顔ができるなって思った。
もう、あなたは私の憧れの存在なんかじゃない。



「最低ですね」


私は3人の先輩をキッと睨んだ。