私は震えた手にキュッと力を込めた。 静かに目を閉じて、ふうっと深呼吸をする。 今でもね、思い出すの。 2年前のあの記憶。 あの日もちょうど雪だった。 「愛果・・?」 不安そうに亮介は私の顔を覗き込んだ。 「ごめん・・行こっか。」 青信号を確認して渡った。