キミの宝物



伊織のこういう天然なところも好きっていうか。


笑顔に変えてくれるっていうか。


伊織も私の・・大切な友達。


事件のことは言ってないけど・・。




それから、すっかり暗くなってきたので私たちはわかれた。




「さっむいなー」



白い息をはきながらポケットに手をつっこむ。


家の方向に歩いてる途中に自動販売機があったので、そこであたたかいレモンティーを買って一口飲んだ。


甘酸っぱい、レモンの風味が広がってぽかぽかあたたまって、この瞬間がたまらなく好き。



「ねぇ」



「うわっ」


いきなり声をかけられてレモンティーを落としそうになる。
慌てて持ち直してゆっくりと振り返った。