キミの宝物



それから、お昼ごはんを済ませ映画を見た。


映画を見終わったころには私も伊織も大号泣。



「主人公の彼氏がしんじゃうとことかほんと、感動・・なんだけどぉっ」


声をしゃくりあげながら伊織が話す。
そんな光景につい笑ってしまった。


「うん・・感動したぁ」



泣いたなんていつぶりだろう。

きっと、あの日以来・・。



「愛果、どしたの?」


伊織が心配そうな顔で覗き込む。


泣きすぎて腫れた目をした伊織のほうが心配。


やっぱりまた笑ってしまう。



「ねぇ、なに!なにか変??」


伊織は自分の顔をペタペタと触る。


「なんもないよー」