「ねぇねぇ、話しかけてみようよ!」


伊織はうちの体をつんつんしながら耳元でささやく。



「えー、伊織1人で行けば?部活遅れたくないし」



「そんなこと言わないでー・・。ねぇ、行こ?」



なんでみんなそんなに爽汰に夢中なんだろ・・。

もう一度爽汰に目を向けてみる。


すると、バチッと目が合った。



「やばっ、こっちくるよ!」


伊織が私の背中をバンバンと叩く。


「ちょっ、痛いから・・」



気づけば、目の前に爽汰が立っていた。