「り、陸・・ここって・・?」
「あぁ、ホテル街だね」
「え、いや、私そういうんじゃなくてっ私帰ります!!」
帰ろうと陸に背を向けた時グイッと手を引っ張られた。
「なんで?愛果も俺のこと気になってるんじゃないの?」
なんでそうなるの?優しいと思ってたけど好きとは違うよ・・
「離してっ・・」 「アイ?!」
懐かしい愛おしい声がした。
そして、前と変わらぬ名前で呼んでくれた。
パッと声のするほうを見るとウタがいた。
現実?夢?なんでウタが目の前にいるの?
「なんだよお前彼氏持ちかよ。つまらねぇ奴」
陸はチッと舌うちをしてからどこかへ消えてしまった。
助かった・・。
でも・・
「なんで?なんでウタが助けになんか・・」
「見かけただけだよ。お前まじ危機感なさすぎだろ。いろんな奴にそうやって簡単にいくんだな」
「なにそれっ!ウタだって、美律先輩のこと好きじゃないとか言っといて付き合ってるくせに!!」
「それとは別だろ?!」
「別ってなによ!意味わかんないよ!!」
周りにジロジロと見られていることを感じて顔が赤くなった。
きっとウタに対する感情も交じってるせい。

