「切らないと・・」 毛先をちょびっと持って、思った。 冬で寒いから切るのは惜しいけど、バスケのためだ。 切るしかない。 また歩き始めると、後ろからザッザッと雪を踏みしめる音がした。 ふと、後ろを振り返る。 「よぉ、愛果!」 くしゃっと、私の頭を撫でる。 「おー、おはよっ」 小学校の頃からずっと仲がいい亮介。 通学路が一緒だから、たまに合流するときがある。