部活後


伊織は部活後のウタへとかけよった。


少し話すと、伊織は私のもとへと駆け寄ってきた。


「おっけーだって。愛果、頑張りなよ。」


「うん。大丈夫。」


ふうっと深呼吸として、ウタとの待ち合わせ場所である校舎裏で待った。



しばらくすると、足音が聞こえてきた。


ぱっと顔をあげると、困った顔のウタがそこで立ち止っていた。



「俺、伊織に呼び出されたんだけど。」



「ごめんね。だますような形になっちゃって。どうしても聞いてほしくて・・」



「意味わかんねぇよ。帰るから。」



背中を向けたウタ。


「待って!私、ずっと変わらずにウタのことが好きだよ?だから、その・・」


「お前は、なんもわかってねぇよ」


「え?」


ウタの背中が悲しそうに見えた。

一瞬だけ。