「でもさ、愛果は何も悪くないよ」
「え?」
落ち着いた伊織は私の顔を見てそうつぶやいた
「その晃くんは亡くなっちゃったけど、助けられたぶん愛果は晃くんのためにも今を精一杯生きて楽しむべきなんじゃないの?爽汰くんに嫌われたくらいでへこんでちゃ晃くんに申し訳ないと思うよ。」
「伊織・・」
「私、愛果と爽汰くんが仲良くしてるの見るの好きだったんだけどなぁ。ねぇ、愛果はほんとに爽汰くんが美律先輩のこと好きだと思うの?」
「それは・・わかんないよ。でも、キスしてたし・・」
「キスしてたくらいで気持ちはわかんないよ。本人に聞いてみたら?私、部活終わりに爽汰くん呼びだすからさ!ね?」
「わかっ・・た・・」
「うん、じゃあもう授業始まっちゃうしまた部活のときに会おう!私いつでも相談に乗るからね!」
伊織のその元気でポジティブでまっすぐな感じには本当に毎回助けられる。
「ありがとう。」
私はぎゅっと伊織を抱きしめた。
「なんだよー愛果らしくないなぁーびしっとねびしっと!」

