廊下を歩いてる途中、教室に授業で使うものを忘れていたのに気付いた私は沙織ちゃんと千郷ちゃんに先に行ってて!と伝えて教室へ向かった。
誰もいない教室につき、自分の机の中を探る。
「あー、あった。」
このプリントがないと作業が進まないんだよね。
急いで向かおうとすると、誰かの足音が聞こえた。
「・・だれ?」
足音は教室に入ってきて振りかえると、そこにはウタがいた。
やだ。こんなときに2人きりになっちゃうなんて思ってなかった。
私は急いで教室を出ようとすると、ウタに腕を引っ張られ気づけばソウの胸の中にいた。
「やだっやめて・・」
「アイ、俺になに隠してんの?」
ウタはいつもよりよわよわしいかすれた声で私に問いかけた。
「朝から気になっててアイから言ってくれるの待ってたけどやっぱ待てねぇわ。話して。」
ウタは私の体を離して私の手首を掴んでグイッと顔を近づけた。ウタの吐息がかかる。
「ごめん・・っ」
私は掴まれていた手首を振りほどいてウタに背を向けて走り出そうとした瞬間手首につけていたブレスレットがカシャンと音を立てて床に落ちてしまった。
ウタからプレゼントでもらったブレスレット。
拾いたくても、それよりも早くこの場から逃げ出したくてブレスレットとウタを残して教室から飛び出した。

