学校につき、教室に入るとウタは無言のまま自分の席へとついた。
「あ、おはよう」
私はすでに来ていた沙織ちゃんに声をかけた。
「うん、おはよう!さっむいねー」
「そうだね」
「そうそう昨日のテレビでさぁ~・・」
沙織ちゃんが楽しそうに話しているのを聞いているとだんだん心が軽くなってきた。こうして友達と過ごしてればいいやって。極力ウタの存在を意識しないようにって。
1時間目を告げるチャイムがなった。
みんな席に着く。
ちらりとウタのほうを見ると、頬杖をついてつまらなさそうに先生の話を聞いている様子だった。でもその表情にはどこかさみしそうな気持ちも隠れてそうで。私の胸をギュッと締め付けた。
ごめんねウタ・・。
いつか自然に話せるようになったら前みたいに話すからね。
私は勉強にそのまま取り組んだ。
2時間目。
移動教室のため、教科書や筆記用具を持って行く準備をした。

