「やめてよ。うっとおしい。」
美律先輩はそう言い捨てると私に背中を向けてスタスタと歩きだしてしまった。
もう。なにもかも終わったと思った。
美律先輩に告げ口される前に私から言う?
携帯を出して震える指でウタの名前をたどった。
発信ボタンを押すところで指が止まる。
言ったらどうなる?自分から別れを告げるの?
そんなこと・・。
「うぅっ・・」
携帯をそのまま地面に放り出して泣き崩れた。
美律先輩から事実を聞いたウタはどんな反応するのかな。
そんなのウソだろって笑ってくれる?
ウタならきっと・・そうしてくれるよね?
ウタに嫌われるくらいならウソついてまで付き合っていたほうがいい。
そう思ってしまう自分がいた。

