「私じゃ、私じゃない・・」


私はブンブンと首を横に振った。


中2の冬の記憶がフラッシュバックする。



赤い信号。


耳に響くカンカンとした音。


突き飛ばされた感触。



「晃・・身代わりになって亡くなったっていう噂もあったけどもしかして・・」



美律先輩がポツリとつぶやいた。



「いやあぁっ!」


私は耳をふさいだ。


私じゃない。私じゃ・・


「愛果ちゃんの身代わりになって晃は亡くなったの?」



美律先輩はただ呆然としていた。


違う。私じゃ・・ない。