「大沢・・晃・・」
震える声でニュースで見た少年の名前をつぶやく。
「愛果ちゃん知ってるの?」
美律先輩は険しい顔で私に伺った。
「ねえ。きいてるの?」
美律先輩は私の肩を掴んだ。
「ウタの・・大事な親友・・?」
「2人とも同じ部活でね。二人が組むと最強って言われてたんだけど。晃が亡くなってからはしばらく爽汰バスケしなくなって。あの時は大変だったんだよ?」
ポタポタと涙がこぼれてきた。
立っていられなくなってその場に座り込んだ。
私が、ウタの親友を帰らぬ人にしてしまった。
ウタの宝物を奪った。
私のせいで・・
「愛果ちゃん?ちょっと。」
私が萌菜と喧嘩したときに言ってくれた言葉をふと思い出した。
≪友達を裏切るとか。友達の大事さっていうのをわかってねぇやつは、ほんとむかつく。≫
ウタがこんなにも友達を大切にするのはきっと、晃くんを亡くしてしまったからなんだって気づいた。

