美律先輩の手にもたくさんの花が抱えられていた。
「なんで、愛果ちゃんがここにいるの?」
「あの、えっと。」
「私は爽汰に頼まれてきたの。」
美律先輩はそう言って花を私の持ってきた花の隣にそえた。
「ウタに・・?」
「うん。今練習で行けなくて。頼まれたんだよね。中学の時から爽汰のこと部活で見守ってたけど、大事な親友が中2の冬にここで交通事故で亡くなって。だから少しでもそばにいたいからってここの近くの家に高校生になってから引っ越してきたらしいんだけど。」
ウタの大事な親友・・?
ここで交通事故・・?
中2の冬・・?
すべて。つじつまが合う。
私の代わりに亡くなってしまった少年。

