私は帰る用意をして踏切に向かった。


足取りがだんだん重くなってくるのがわかる。



さすがにウタと幸せ気分を味わっていてもやっぱりこの日になると気持ちは沈むもので。


踏切に近づくたびに胸の鼓動が増す。



「着いた・・」


買った花を持つ手が震える。

けれど必死に抑えてゆっくり置いて手を合わせた。



ごめんなさい。
笑顔が絶えない日々を送ってごめんなさい。
私には大切な人ができました。
いつかその大切な人にもこのことを伝える日が来るのかもしれません。
そうしたら、一緒にここに来れたらいいなと思います。
いつか___




「愛果ちゃん?」



声のするほうを見ると、そこには懐かしい人の姿。


美律先輩の姿があった。