キミの宝物



集合時刻よりも少し遅れたけどなんとか着いた。


「どこー?」


呼吸をととのえながら辺りを見渡した。



「アイー!」



声のするほうを見ると、ウタがこちらに駆け寄ってくるのが見えた。


やっと会えた。


「ごめんね、遅れちゃって」


「全然いい。てか可愛すぎ。」



可愛い なんて普段照れ臭くて言ってくれないくせに。


私はウタの肩を軽く殴った。


「いたっなんだよ」


「嬉しいです」


素直に笑えた。心から。