季節は夏。
せみがミンミン泣いてうるさい季節。
「はい、おつかれさまー」
部活が終わってウタにジュースを渡す。
「おう、さんきゅ!アイはいらねえの?」
「へーき!持ってるから!」
また元通りの関係に戻った私たち。
莉奈ちゃんも前ほどウタとは話さなくなったし。
でもそう思うと案外独占欲あるのかなとか思っちゃう。
「夏祭りだって」
「ん?」
帰る途中、張り出されているポスターを見てウタがつぶやく。
「行こっか」
「うん!」
さりげなく言ってくれたウタだけど顔赤くなってるのわかってるんだよ。
私はソウの手を握った。