キミの宝物



早く、ウタと真剣に向き合いたいと思った。


リビングのソファに2人並んで腰かけた。


「アイ寒かったりしない?大丈夫か?」


「うん。たくさん寝たから平気」



時計を見るともうすぐでお昼を指そうとしていた。


「ウタ学校は?」


「午前ちょっとだけ授業受けてたけどやっぱりアイが心配で。抜けてきた。」


少しはにかんでうつむいて笑ったウタの顔。


なんでウタがそんなにさびしそうなの。


「わたしね、昨日見たんだよ・・」


「なにを?」


「ウタが莉奈ちゃんと一緒に歩いてるとこ」


小さい声でボソッとつぶやいた。


ああ。私ってきっとめんどくさい女なんだろうな。


嫉妬するくせに自分からガツガツいけないし。