キミの宝物



ウタからぬくもりが伝わってきてあったかくて気持ちいい。



「おまえ寝ぐせついてるし格好だらしないし」


「・・うるさい」


「超、心配したし・・」


耳元でそうつぶやくウタの声は心なしか元気のない声だった。



「熱・・。言ってなかったね」



「きいてねぇよ。みんな心配してたし。」



「ごめん」



「・・それだけじゃないだろ?」



ウタは体を離すと私の顔をじっと見つめてそう言った。


目を見ていられなくなって、そらしてうなずいた。



「中入ろっか。」


「おう。」


もう熱のことなんか忘れて、今は頭の中がウタでいっぱいだった。