観覧車から降りると、萌菜と亮介がぶーぶーと文句を言いながらこちらを見つめていた。


「相変わらずらぶらぶー」


「なになに、なんかしたの?」



さすが亮介。


勘はいい。


観覧車の中でキスしたなんて言えない。


本物のカップルになったなんてもっと言えない。



ウタのほうをちらりと見ると、ウタまでもが黙りこくってしまっていた。


いつもならフォローしてくれるのに!



「えっとーうーんとー」



言葉が思い付かなくてパニくる私。



「したんだー。なになに、どこまで?」



亮介はにたにたと私とウタを交互に見渡す。