てっきり俺はアイにほかに好きなやつができたのかと思ってた。
あんな真剣な顔になるから__。
そのときの俺はきっとひどい顔をしてただろう。
いつのまにか俺はアイのことを本気で好きになっていた。
嘘のカップルじゃなくて、本物のカップルになりたいと思っていた。
「私が好きなのは、ウタだよぉ・・」
泣きながら言うアイが、すごく愛おしくなって。
___気づけばキスをしていた。
ゆっくり唇を離すと、涙目でアイが俺のことをきょとんと見つめた。
まるで、捨てられた子犬みたいに。
「俺もアイが好きだよ」
そんなキミの頭をポンポンと軽く撫でて、アイの隣に座って手を握った。