キミの宝物



とたんに、ウタは私の手をつかんでいた手をパッと離した。


「あ、ごめん。お取り込み中だった?」


萌菜はなんだか申し訳なさそうに後ずさりをした。



「い、いや!全然!ウタ、調子よくなったみたい!」


私はごまかすかのように、ベンチから立ってウタに背を向けた。


もう少しで、自分の気持ちを言うところだった・・。



「じゃあ、おひるごはんでも食べるか!」


「うん!亮介の意見賛成ー♪」


「私も!」


「爽汰くんは?」



萌菜は、ウタの顔をうかがう。


「あーごめん。ちょっとアイ借りるわ。」


「えっ」


そういうと、私の手を引っ張ってそそくさと歩きだしてしまった。