キミの宝物



その光景に固まる。


「ねぇ、なにしてんの?はやく」


餌を待ってるわんこのように、ウタは口をあけて待っている。


ええい、どうにでもなれっ。


私は、ウタの口の中にスプーンですくったレモンシャーベットを預けた。


スプーンを抜き取ろうとすると、ウタは私のスプーンを持ってる手を握って口からスプーンを離した。


「ちょーおいしい」


ウタは、いつもの無邪気な笑顔で笑った。

なんだか、その瞬間すごくドキドキした。

2人きりの空間。

キミの笑顔を私だけのものにしたくて。



もう自分の気持ちを抑えることができない。


気持ちに・・コントロールができない。





「アイ?どうした?」


ウタは私の顔を覗き込む。



言いたかった。自分の気持ち。

「・・私」



「どのアトラクションもあいてなかったぁー」


ちょうど同じタイミングで、萌菜と亮介が戻ってきた。