「そーだな」
ウタは、こちらを見ずにボソッとつぶやいた。
「・・亮介を説得してくれてありがと」
「逃げようとしてたとこ止めただけだし」
唇をとんがらせて言うウタ。
傷だらけの顔に思わず触れる。
「な、なに?」
ウタはいきなりでとまどった感じだった。
「痛いでしょ。バンソウコウあるから。はい。」
ポーチからバンソウコウを取り出した。
「さんきゅ」
ウタには似合わないアニマル柄のバンソウコウ。
なんだか笑えてしまう。
「なんだよー」
「べつにー」
デートすっごい楽しみだな。
夜道の中、私たちの仲はまた少しだけ深まった気がした。

