キミの宝物




「おー、そーだった!携帯だせ。赤外線でおくるから」



ゴソゴソとポッケの中から携帯を取り出すウタ。


私もつられて出す。


そんな光景を亮介と萌菜は不思議そうに見ていた。



「ねぇねぇ、カップルって普通メアド交換とかしてるもんなんじゃないの?」


ボソッと萌菜はつぶやいた。


「あ、えっと・・」


必死に嘘を考えるものも思い付かない。



「俺、ずっと母さんに携帯取り上げられててメアド交換できなかったんだよ。なっ?」


ウタは私に笑顔で問いかける。


うんって言えと言わんばかりに。


「うん、そうそう。やっとメアド交換できるねー」


私も笑顔で返した。

なんだか、笑顔がひきつってそう。


「ふーん。」


萌菜は納得したようだ。


なんとか一件落着。