キミの宝物



ウタは私と目が合うとパッとそらした。


やっぱり、そう思ってるのは私だけなんだね・・。



「萌菜。お前の気持ちに気づいてやれなくてごめん。」


亮介は涙ながらに萌菜の顔を見た。


萌菜もそれにこたえる。


「私こそ、長い付き合いなのに恋愛感情で見てたってことを、ずっと言えなくてごめん。そのせいでこんなことになっちゃったんだもんね・・」


ははっと萌菜は苦笑いした。



「でもさ、好きになるのに制限なんてないんだよ。友達から好きな人に変わることなんていくらでもあるんだもん」


私の言葉に亮介はうなずいた。


「そっか・・」


萌菜は少し笑顔を浮かべた。



そこから再び訪れる沈黙。


その沈黙を破ったのはウタだった。



「よし!気取り直して、どっか遊びに行くか!」


「「「え?」」」


3人ともがウタの顔を驚いた様子で見る。


いきなりこの人はなにを言ってるんだ・・。