キミの宝物




「でも・・俺に仲良くする資格なんて・・あんのかな」



その言葉に、私も萌菜も黙ってしまった。



亮介がこんなに思いつめてたなんて知らなかった。



だから、なにも言えなかった。



沈黙になってしまったこの雰囲気をウタが破る。



「アイと萌菜が仲良くしたいって思って今日カフェで話そうって言ったんだよ。今仲良くしなくてどうする?引きずったところでなんか変わんのか?あんとき仲直りすればよかったって、ぜってぇ後悔する時間くるとおもうけど。今の時間大事にしなくてどーすんだよ。」



なぜかウタの言葉に感動して、私も気づけば涙を流していた。


萌菜も同じみたいだ。



「・・ごめん。愛果、あのとき助けてやれなくて」



沈黙の中、口を開いたのは亮介だった。


私は、うなずく。



「もう、いいよ。今はこうして仲良くできてるわけだし。大切な人も、できた。」


私はウタの顔を見た。


上っ面だけの言葉の大切な人。


私にとっては心の底から思ってるけど。