そんな伊織を見てると付き合っているフリをしてるだけなんだって言いたくなる。でも、言ってしまえばその噂は広がるだろう。
そしたらまた私、最低って軽蔑した目で見られるのかな。
そして、ウタにも嫌われて__。
気づけばマイナス思考になっていた私だった。
__部活が終わり、私は急いで門のところへ向かった。
門のところに着いた頃には、もうすでに萌菜は来ていた。
「じゃあいこっか」
「うん」
私たちは待ち合わせ場所であるカフェへ向かう。
暇があれば、3人で来ていたカフェ。
いつもくだらない話などをして盛り上がってたっけ。
なんだか遠い昔の記憶に思えてきた。
カフェに着くと、まだ亮介は来ていない様子だったのでとりあえず席を確保しておいた。

