丁度原稿を並べ終わったと同時にコトンと目の前に紅茶が置かれた。



「あ、ありがとうございます」
「…笑うな」
「え??」
「だから、ずっと笑うのやめろよ」
「い、以後気おつけますッ…」
「ハァッ…お前のせいで昼寝が台無しだ」
「昼寝なさってたんですね…」
「そう」


だるそうに頭を掻く白井さん。


何だか天才小説家には見えないよな…


前髪長いし、白いワイシャツに黒いカラージーンズ…どっちかというとニートにも見えなくもない。


部屋も何だか生活感ないし…



「あの…」
「何」
「か、家族の方は不在なんですか?」
「いようがいまいがお前には関係ないだろう」
「あ、あはは…ッそう、ですよね」
「それのんだからさっさと帰って」
「は、はい!」


私はそそくさと紅茶を飲み干し急いで帰る支度をする。




「あ、あれ!?く、靴がない!?」
「バカかお前、縁側」
「あ!!」



玄関から急いで縁側に向かう。


そこで白井さんに一礼し家から出た。