怒りに任せて淡いピンクのカーテンをシャッ、と開ける。



冷たいヒンヤリとした空気がそこに漂い、スウェット越しの肌が鳥肌を立てるのがわかった。


窓の外には降り積もる雪。


・・・本当だったら、祐気君と見る筈だったのに。


肺の底から息を吐くと、目の前の窓ガラスが白く曇る。


右手に握り締めているスマートフォンは鳴る気配がなくポイ、と投げれば綺麗な弧を描いてベッドに着地した。



本当はもっとLINEしたいし、電話だってしたい。


学校では、皆が祐気君を囲うから見たくたって見れない。会うことだってままならない。



だから、せめて少しぐらい連絡くれたっていいじゃないか・・・。



そう思う私は重いのだろうか。迷惑なのだろうか。


ハア、と二度目のため息をついた刹那。



スマートフォンが音を立てた。