なんと、なつだったのだ。

「もう!びっくりしたじゃん!」

「ごめんごめーん(笑)ゆきが寂しそうだったからさ!」

そう言われたところで、ゆきはあることに気づいた。

「あれ?今日はゆうと一緒に帰らないの?」

「う、うん!ゆうはね、今日用事あるんだって!」

「そうなんだ。
…祐気…来ないなあ…」

ゆきがそう呟くと、なつが言った。

「あっ、それなんだけどね、」

嫌な予感がした。

「祐気くん、今日は用事が出来ちゃって会えないんだって。ごめんね、って言ってた。」

…は?用事が出来た?

なに?用事って?私よりも大事なことなの?

言いたいことはたくさんあったが、ゆきは必死に笑顔をつくった。

「そっか。わかった。まったく、しょうがないなあー。」

「ゆき、大丈夫…?」

「うん!全然へーき!」

そう言いながらも、モヤモヤした気持ちは、なつと歩いた下校途中の道でもおさまらなかった。

ゆうといい祐気といい、用事ってなんなの!?