「お前のほうが失礼だろ。人の苗字忘れて」

「だからそれは・・・」




そう言った刹那―――――――。




ちゅ、というリップ音はクラスメイトたちの雑談によってかき消された。



「・・・・・・・・・え」



瞬きする事も忘れ、ただただ彼の黒い瞳をジッと見ることしか私にはできなかった。