「う、ん」

思わずそんな彼から瞳を逸らしてしまう。

その瞬間。

ドサッ、という音が聞こえたかと思うと今度はドンッ、という鈍い音と同時に背中に痛みが走る。

こ、これは・・・。

噂の壁ドンってやつですか!!


両手を上で拘束され、目の前には佑気君と逃げ場のない状況に戸惑いを隠せない。


「ゆ、うき君・・・?」

「お前さ、何矢部に勝手に触らせてんの」

「え」

「お姫様だっことか何、お前。ふざけんなよ」


初めて怒る佑気君が怖くて、何も言葉が出てこなかった。