「お前そんなに物忘れ激しかったっけ?」 そんな無邪気な笑顔は学年の女子を総なめするほどのカッコさだ。 だけど佑気くんしか見えてない私にとってはどうでもよくて。 「違う違う!本当は知ってたけど聞いただけだって~」 本当に忘れてたわ。 「そか」 そう言って矢部君の大きな手が頭をポンポンと叩いた瞬間。 保健室の扉が開いた。