ゆきは昨日 佑気に言われたことを思い出しながら、スキップで学校に向かっていた。
「佑気くんかっこいいなあ♡るんるん♪」
と、そのとき。
「あっ」
どすん!
ゆきは地面に転がっていた石につまずいて、盛大に転んでしまった。
「いてて…」
ゆきは体勢を整え、立ち上がろうとした、のだが。
足首を捻ってしまったらしく、力が出ない。
ゆきはその場に座り込んだ。
「だれか…」
助けを求めようと周りを見渡したが、だれも人はいない。
今朝は早起きをして学校に向かっていたからだ。
あの朝が一番苦手なゆきが、だ。
よっぽど昨日のことが嬉しかったのだろう。
早く学校に行って佑気に会いたかったのか、それともテンションが上がりすぎて早く目覚めてしまったのか。
いや、そんな作者の考察などはどうでもよい。
それよりもゆきを助けてやらないと。
そう思った作者は、ここである一人の男を登場させることにした。
