ぬくもり 【完】






「ん…美結先輩、おはようございます。」



後ろから声がして、私の髪に五月くんが顔を埋める。



「おはよう、五月くん…」
 

気まずかった。



なんて言えばいいのか判らなかった。



私は、五月くんを利用してしまったのだから…。



「美結先輩、謝らないで下さいね。」



突然、五月くんが言った。



謝ろうかと思っていた私は、肩が揺れたのを感じた。