はぁ...
午後の授業をサボり、ベッドの上でため息をつく。
「…はぁ」
どうして俺はアイツを抱きしめられないんだろう。
会いたかったと。ずっと好きだったと。
どうして言えないんだろう。
そうか…。
俺が…汚れてしまったからか。
コンコン。
ドアをノックする音。
誰だ?
親父や母さんはそのまま入ってくるし…
そっとドアを開けると…
「…!」
立っていたのは…くー。
何やってんだコイツ…っ
「ひょー…ごめんね、急に…あのね」
「どうやって家入った?」
鍵閉めたよな、俺…。
「あのね、紗理奈ちゃんと偶然会って…
ひょーに会いたいって言ったら入れてくれて…」
あのバカ…
「…母さんは?」
「出かけるって…」
「はー…何の用?」
…何でもっと優しく言えねぇんだよ俺っ・・・
自分で自分が嫌になってくる。
「あ…あの…ひょーに聞きたいことがあって…」
「聞きたいこと?何だよ?」
くーはうつむき、口をつぐむ。
やばい…キツく言い過ぎたか…?
すると、くーはバッと俺の方を向いた。
「…!」
俺はびっくりして後ずさりをする。
「な、なんだよ」
「ひょーは、くーのこと嫌い?!」