「はぁ…」
…こっち、帰ってこなきゃよかった。
いたたまれなくなり、近くの石を蹴る。
「って」
「えっ」
前を見ると、豹がいた。
や、やばいっ。
豹にあたっちゃった!
「何すんだよ」
ギロっと睨まれ、足がすくむ。
「ご、ごめっ…」
「ちっ」
舌打ちをされて、豹はスタスタと
歩いて行ってしまう。
「ひょ、豹、待って?」
パタパタと走ってみるけど
追いつかない…。
…大体足の長さが全然違うもんねぇ。
「豹ったら!待ってよ!」
…っ振り向いてもくれない。
じわっと目に涙が浮かぶ。
もう豹は…くーのことなんて
どうだっていいんだ。
あの約束もきっと…
どうして…豹