「今夜の餌食はだぁれっかなっ♪」





軽やかに月は歌う。







「今夜の餌食はあっなたっだよっ♪」






内容はとても酷い。






「おやおや……」






月が舌なめずりをする。






月明かりに照らされた空に、天使のシルエットが見えた。






「今夜の餌食はてっんしっだよっ♪」






再び歌い出す。






歌声に気が付いた天使が、すぐさま弓矢を取り出す。






が、遅かった。