夜。








欠けた三日月が、暗い町を弱々しく照らす。








影になるものは、なにもない。








あるのは、人工物。








生命は、無い筈だ。








コンクリートで固まる電柱。








稀に見られるのは、カラス。








闇夜に溶けて、何処かへ消える。








「丁度良い……」








呟くのは、人間。








外見だけは。








人の皮を被った化け物。








彼の名は、夜。








天使を狩る、悪魔でもない、対の存在。








天使狩人。