鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ

チラっと課長の顔を見るとむすっとした怒り顔。痴漢に出くわした珍しいエピソードを話さなかったから怒ってるのかな？



「あのさ・・・」



課長が口を開いた瞬間、扉が開き今以上に人が中に入ってくる。今日は競馬のレースがあるのかな。



普段でもここまで混まない。満員電車になった車内、そんなことを考えていると課長の右手が私の顔の横にトンと付いた。



「・・・ごめん。ちょっと我慢して」




後ろから押される課長がどんどんと近づいてくる。壁ドンされて更に近づいてくる距離に胸が大きく高鳴る。



正直、ちょっとカッコイイ人にされただけでもドキドキするこのシチュエーションは好きな人にされるとかなりの威力がある。



視線を合わせることもままならなくてただ課長のネクタイを見つめた。