鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ

マイペースな比嘉さんと唯野さんは、お互いの旦那の話を始めたので、私は、少し、コーヒーでも飲もうかと席を外した。リフレッシュルームまで向かっていると、外から戻ってきた課長の姿が見えた。

「おつかれさま」

「おつかれさまです」

「なんだか、こうやって話すのは、久しぶりだな。まだ、少し時間もあるし、ちょっと話さないか？」

予想もしていなかったいきなりのお誘いに、ドキドキしつつ、「はい」と頷いた。

課長と二人、人が少なくなったリフレッシュルームの空いてる席に座った。いいですとお断りしたのに、好きなのを選べと言われ、自動販売機でブラックコーヒーを買ってもらった。課長は甘いカフェオレ。やっぱり面白い。

「なんだか、毎日顔を合わせているのに、ゆっくり話せなくてごめんな。後、この間は言えなかったけれど、お前のことは聞いていたのに、何も言わなくて悪かった」

「最初は、ビックリしましたが、今は、気にしてないです。そ、それよりもあの・・・」

付き合ってるんですか？私たち。
そんなこと聞けなくて、言葉を濁した。付き合うとは言ったものの、あまりにも何も変わらないこの関係に、もどかしさを感じているのは私だけ。

「どうした？そうそう、あの後、冴子と話したんだけど、あんなに喜んだ顔した冴子、久々に見れたよ」